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複雑な脂肪酸構造を解析する新技術を開発 -脂肪酸代謝の多様性を捉えるリピドミクス-

複雑な脂肪酸構造を解析する新技術を開発
-脂肪酸代謝の多様性を捉えるリピドミクス-

  国立大学法人新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】大学院工学府の栗崎優斗大学院生と同大学大学院工学研究院生命機能科学部門の津川裕司教授らの共同研究グループは、生理活性脂質の1種である「脂肪酸ヒドロキシル化脂肪酸 (FAHFA)(注1) 」の脂肪酸側鎖?水酸基位置?二重結合位置を網羅的に決定できる新しい構造リピドミクス手法(注2)を開発しました。本手法は、液体クロマトグラフィ―タンデム型質量分析 (LC-MS/MS)(注3) における生体試料の前処理や、部分構造情報を得るための方法の1つである電子誘起解離法 (EAD)(注4) およびインフォマティクスの技術開発および最適化によって実現しました。また、本手法を用いて、腸内細菌叢(そう)および宿主側で産生されると考えられる合計85種類のFAHFA代謝物の多様性を捉え、加齢によって変動する数種類のFAHFAを明らかにしました。本手法はFAHFAだけでなく、その基質である脂肪酸および水酸化脂肪酸も同時に捉える技術です。これにより脂肪酸代謝の多様性およびその生物学を切り開き、新しい脂肪酸代謝物構造とその機能解明が可能になると期待されます。

本研究成果は、American Chemical Societyが発行するAnalytical Chemistry(4月4日付)に掲載されます。
報道解禁日:2025年4月4日(金)18時00分(日本時間)

論文タイトル:Data-Independent Acquisition Coupled with Electron-Activated Dissociation for In-Depth Structure Elucidation of the Fatty Acid Ester of Hydroxy Fatty Acids
著者:Kurizaki Yuto, Matsuzawa Yuki, Takahashi Mikiko, Takeda Hiroaki, Hasegawa Mayu, Arita Makoto, Miyamoto Junki, Tsugawa Hiroshi.

URL:https://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/acs.analchem.4c06736
DOI:10.1021/acs.analchem.4c06736

背景
 脂肪酸ヒドロキシル化脂肪酸(FAHFA:Fatty Acid ester of Hydroxy Fatty Acid)は、ヒトだけでなく植物や微生物などの様々な生物によって産生される脂質代謝物の1つです。ヒトや実験動物を用いた研究において、FAHFAは抗炎症作用や抗糖尿病作用などの生理活性を示すことが知られています(図1)。FAHFAの構造は、脂肪酸の炭素数、二重結合の数と位置、そして水酸基(OH)の位置によって規定され、これらの構造の違いによってFAHFAの生理機能などが大きく異なります。
 また、腸内細菌は宿主よりも多様な構造のFAHFAを産生し、特に短鎖脂肪酸と2位に水酸基を持つ水酸化脂肪酸のエステル結合からなる特徴的なFAHFAを産生することが知られています。このようにFAHFAの構造の多様性は宿主だけでなく、腸内細菌による代謝の影響も大きく関わっているため、特に腸管免疫の場である大腸では多様なFAHFAが存在している可能性があります。しかしながら、脂質の多様性を捉えることができる従来のノンターゲットリピドミクス(注5)と呼ばれる手法では、FAHFAの水酸基や二重結合の位置異性体(注6)のような多様な分子構造の詳細を解析することは困難でした。
 そこで本研究では、数十種類を超えると推定されるFAHFA代謝物を一度に検出でき、かつ脂肪酸組成?水酸基位置?二重結合位置の定性的?定量的な網羅的解析を可能にする新しい構造リピドミクス技術の開発に取り組みました。

研究体制
 本研究は、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】大学院工学府の栗崎優斗、松沢佑紀、竹田浩章、同大学大学院農学府の長谷川真由、同大学大学院農学研究院応用生命化学部門の宮本潤基准教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの髙橋みき子、慶應義塾大学薬学部の有田誠教授(理化学研究所 生命医科学研究センター チームリーダー)、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】大学院工学研究院生命機能科学部門の津川裕司教授(理化学研究所 環境資源科学研究センター/生命医科学研究センター 客員研究員)らによって実施されました。本研究はJSPS 科研費(24K02011、24H00043、24H00392、24K21269)、国立がん研究センター研究開発費(2023-A-08)、AMED 新興?再興感染症研究基盤創生事業(21wm0325036h0001)、AMED 革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(JP15dm0207001)、JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO「有田リピドームアトラスプロジェクト」(JPMJER2101)、同 ライフサイエンスデータベース統合推進事業「次世代低分子マススペクトルデータベース シン?マスバンクの構築」(JPMJND2305)、同 創発的研究支援事業「時空間統合オミクス基盤創出による脂質代謝多様性と制御機構の理解」(JPMJFR230H)、および「農工融合先端研究拠点」(TAMAGO)の支援を受けて行われました。

研究成果
 本研究グループは、液体クロマトグラフィ―タンデム型質量分析(LC-MS/MS)を用いたリピドミクスにおいて、合計5つの手法について新たに開発および最適化を行いました(図2)。具体的には、(1) 脂肪酸代謝物を特異的に精製?濃縮する方法の検討と最適化、(2) 脂肪酸代謝物を高感度に検出し、構造解析を容易にする誘導体化法(注7)の検討と最適化、(3) FAHFA代謝物の水酸基位置および二重結合位置を識別するための電子誘起解離法(EAD)の研究開発、(4) 水酸基位置異性体を網羅的に定性?定量するためのSWATH-DIA法(注8)の適用と最適化、そして (5) 得られたデータを解析するインフォマティクスプログラムであるMS-DIAL(注9)の開発に取り組みました。これらの要素技術の多くは、すでに開発したものを最適化しただけとも言えますが、これらを効果的に組み合わせて用いることで、FAHFAを含む脂肪酸代謝物の多様性を解明できました。以下に、それぞれの成果の詳細を記載します。
 まず、脂肪酸代謝物を選択的に濃縮する方法の最適化は、2024年に報告した脂質固相精製法(注10)の技術に基づいています。以前の研究では糖脂質やリン脂質を分画するために用いた金属酸化物(酸化チタンと酸化ジルコニウム)がコーティングされた固相カラム(注11)を、本研究では脂質抽出液において存在量の多い中性脂質やリン脂質から脂肪酸代謝物を分画?濃縮するために利用しました。そして、固相カラムに供する生体試料の量や濃縮率について検討したところ、濃縮前と比べて3倍以上の種類の脂肪酸代謝物を検出することに成功しました。
 次に、脂肪酸代謝物を高感度に検出し、構造解析を容易にするためにN,N-ジメチルエチレンジアミン(DMED)を用いた脂肪酸代謝物の誘導体化法を検討しました。質量分析を用いた脂質解析において、FAHFAを含む脂肪酸(陰イオン性分子)は通常、陰イオンモードで分析を行います。しかしながら、構造解析に使用するEAD法は陽イオンモードでのみ利用可能な手法であること、および誘導体化によって感度向上が見込まれたことから、カルボキシル基を第三級アミン構造に変換することができるDMED誘導体化を検討しました。その結果、DMED誘導体化により陽イオン化されたFAHFAをEAD法で分析することで、FAHFAに含まれる水酸基位置および二重結合位置を決定するためのフラグメントイオン(分子イオンが壊れてできたイオン)を観測できることを見出しました。特に水酸基位置に関しては高い感度で検出が可能で、従来法では識別できなかった水酸基位置のFAHFA異性体を識別して解析することが可能になりました(図3)。
 その一方で、頻用されているData dependent MS/MS acquisition(DDA)法(注12)を用いたMS/MSでは、存在量の多いFAHFA分子の構造解析は可能でも、存在量が少ない分子については構造推定に必須のMS/MSの情報が得られないという問題がありました。そこで、存在量の少ない分子についても必ずMS/MSが取得される方法であるdata independent MS/MS acquisition(SWATH-DIA)を用いることでこの問題を解決できないか試みたところ、分析条件を最適化することでSWATH-DIAとEADの併用法が脂肪酸代謝物に適用可能であることを見出しました。
 これらの技術開発および最適化を踏まえ、多様な脂肪酸?水酸化脂肪酸?FAHFA代謝物の網羅的アノテーション(質量分析で検出されたピークに対して、代謝物の名前を付ける工程)を実施可能にするためのアルゴリズムを開発し、メタボロミクス?リピドミクスデータ解析プログラムであるMS-DIAL 5に実装しました。これにより、得られた質量分析データをMS-DIALに入力するだけで、多様な脂肪酸代謝物の発現情報を得ることが可能になりました。
 さらに、SWATH-DIAの利点(各代謝物のMS/MSデータを経時的にモニタリングし続けること)を最大限に活かすために、研究者らが開発しているMS/MSの情報を生体分子の定量に利用することができるソフトウェア(MRMPROBS)を用いた解析を試みました。これにより、液体クロマトグラフィと質量(m/z)では分離できない異性体が同時に溶出したとしても、水酸基位置もしくは二重結合位置に特異的なフラグメントイオンの情報に基づいて定性?定量をすることが可能になります。本研究グループは、異性体識別能、および誘導体化有無やソフトウェアの違いによる定量値に互換性があることを実験的に検証しており、新しい脂肪酸代謝物の分析手法として発表しました。
 この技術を活用して、若齢(11週齢)および老齢(2年齢)マウスの糞(ふん)便サンプルに含まれるFAHFAの解析を行ったところ、85種類のFAHFAを定性的かつ定量的に捉えることができました(図4)。そのうち63種類については水酸基位置まで特定することができ、15種類については水酸基位置と二重結合位置の両方を特定することに成功しました。プロファイリングできたFAHFAについてさらに詳細に解析したところ、炭素数20以上の長鎖水酸化脂肪酸(LHFA)のうち2位(2OH)および3位(3OH)の位置に水酸基を持つものがマウス糞便中で顕著に発現しており、腸管免疫に関与する短鎖脂肪酸がこのLHFAにエステル結合したFAHFAとして多く存在していることが明らかになりました。また、脂肪酸の長さとして16個または18個の炭素原子を持つ水酸化脂肪酸の水酸化位置は、5位から13位まで広く分布していること、特に5、7、9および10位に水酸基を持つ水酸化脂肪酸が多いこと、さらにこれらのFAHFA異性体のうちのいくつかの分子については、老齢マウスにおいて有意に高発現していることも見出しました(図5)。

今後の展開
 本研究で開発した手法は、FAHFAだけでなく様々な脂肪酸代謝物(遊離脂肪酸や水酸化脂肪酸)にも適用可能です。また、前処理条件やLC-MS/MSの分析条件を検討することで脂質メディエーターとして知られる酸化脂肪酸の解析にも適用できる可能性があります。一方、生体内の脂肪酸の構造とその生理機能を考える上で重要なシス/トランス(cis/trans)異性体および直鎖/分岐鎖異性体の区別が、まだ達成されていません。たとえば、マウスの糞便ではFAHFAの分子構造としては偶数鎖のものが多い一方、FAHFAにアミノ酸が結合したN-アシルアミドと呼ばれる脂肪酸は奇数鎖?分岐鎖脂肪酸が多く含まれる可能性がこれまでの研究から示唆されています。今後は、このような脂肪酸代謝物の構造多様性を捉える技術開発に取り組み、腸内細菌叢や宿主が協奏的に産生する脂肪酸代謝の多様性とその生物学的意義に迫る研究を行っていきたいと考えています。また本研究では、マウス糞便サンプルにおけるFAHFA異性体およびその加齢関連変化を観察しましたが、本手法は糞便サンプルに限らず、様々な臓器や血漿にも適用可能な技術と考えています。そのため、FAHFAの抗炎症作用や抗糖尿病作用のメカニズム解明だけでなく、糞便や血液といった生体試料の検査から新たな診断バイオマーカーの開発など、様々な応用への貢献が期待されます。

用語解説
注1 )脂肪酸ヒドロキシル化脂肪酸(FAHFA)
 脂肪酸と水酸化脂肪酸がエステル結合した脂質分子。2014年に抗炎症?抗糖尿病作用を持つ内因性脂質として発見された。FAHFAはヒトや動物の体内でPNPLA2(別名:脂肪トリグリセリドリパーゼ、ATGL)によって合成される。水酸基(OH)の位置や二重結合の位置によって生理活性が異なる。

注2 )構造リピドミクス
 英語では structural lipidomics と呼ばれるものであり、通常は英語のまま用いられるがここでは構造リピドミクスとした。脂質分子種の構造を質量分析情報によって詳細に読み解くことを意図した言葉である。分析化学において分子構造解析に使用される手法として質量分析(MS)法、核磁気共鳴(NMR)法、X線結晶構造解析法の3つが挙げられる。本来、この3つの手法新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】を利用することで初めて分子構造の完全な構造決定が可能と言えるが、昨今では質量分析のみから脂質構造を完全に決定することを目指した研究が行われるようになっている。

注3 )質量分析(LC-MS/MS)
 化合物をイオン化し、質量と電荷数の比(m/z)を検出することで、対象物の存在量を高感度に計測する手法。本研究で着目する脂肪酸代謝物だけでも、1万種を超える脂肪酸構造がデータベースに登録されている。質量分析はこのような代謝物を幅広く計測するのに適した技術である。

注4 )電子誘起解離法(EAD)
 質量分析における比較的新しいフラグメンテーション法。質量分析装置内部にて分子に電子エネルギーを与えることで、分子を形作る化学結合のホモリティック開裂(電子対を均等に分離させることによるラジカルの生成)を分子内の様々な場所で引き起こすことができる。EAD法では炭素―炭素間の結合も開裂させるため、非常に多くの構造特異的なスペクトル情報が得られる。

注5 )ノンターゲットリピドミクス
 特定の生体分子を計測対象とする「ターゲット解析」に対し、「ノンターゲット解析」では、質量分析を通じて新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】の分子を一括で計測?解析する。幅広い情報を得られるが、同時にデータが複雑になるという難点もある。「ノンターゲットリピドミクス」は、脂質の総体を特定の数に制限せず、ノンターゲット解析によって包括的に捉える手法を指し、これにより脂質の多様性をより包括的かつ詳細に理解することが可能となる。

注6 )異性体
 組成式(グルコースであればC6H12O6)は同じだが構造が異なる化合物のことを指す。本研究で着目したFAHFAの中でも、水酸基の位置や二重結合の位置だけが異なるような「水酸基位置異性体」や「二重結合位置異性体」が生体試料には多く存在する。さらに、本研究では達成できていないが、二重結合の幾何異性体(シス/トランス)や直鎖?分岐鎖の違いなどの異性体が脂肪酸には存在する。

注7 )誘導体化法
 化学反応により目的物質に修飾基をつけることで感度を上昇させる手法である。本研究では、感度を上昇させる目的以外に、水酸基や二重結合位置の構造解析を容易にすることにも貢献している。

注8 )SWATH-DIA
 検出されるピーク強度に依存しないMS/MS取得法(Data Independent Acquisition、DIA)の一種で、Sequential Window Acquisition of all Theoretical Mass Spectra(SWATH)と呼ばれる手法。従来のデータ依存的取得法 (DDA)(注12) では存在量の多い分子を優先してMS/MSを取得するのに対し、SWATH-DIAではあらかじめ設定した質量範囲内の新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】のイオンについてMS/MSを取得する。本研究では、FAHFAの新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】の水酸基位置異性体に対してMS/MSを取得するため、設定した質量範囲で一度に新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】の分子イオンのMS/MSスペクトルを取得できるSWATH-DIAを使用した。

注9 )MS-DIAL
 質量分析データ解析を行うオープンソースプログラム。
過去の代表的なプレスリリース
?「生命の脂質多様性を解明」(2020年6月16日)
?「複雑かつ多様な脂質代謝を解明する情報解析プログラム-マルチモーダル質量分析により脂質構造と局在を紐解く-」(Nat Commun 2024, 15, 9903.)(2024年11月28日) 

注10 )固相精製法
 量分析データ解析を行うオープンソースプログラム。
過去の代表的なプレスリリース
?「生命の脂質多様性を紐解く精製技術を開発-分画と濃縮により未知の脂質分子の発見を加速-」 (Anal. Chem. 2024, 96, 17065–17070)(2024年10月28日) 

注11 )固相カラム
 固相抽出に用いられるカラムを意味する。固相抽出カラムとも言う。固相抽出は、充填剤(固相)がつめられた小さなカラムに対し、試料溶液を通過させることにより、目的物質と不要物質を効率的に分離するために利用される。

注12 )DDA法
 Data Dependent MS/MS Acquisition 法。存在量が多い分子を優先してMS/MSを取得する方法である。目的とするイオンのみを質量分析内で選択してMS/MSを取得するため、構造とスペクトルの関連性を紐づけることが容易であり、新規分子の構造解析に適している。

 

図1. FAHFAの構造多様性

 

図2. FAHFAの網羅的構造解析のための新技術ワークフロー
本研究で開発したFAHFA解析技術の一連の流れを示している。固相抽出による脂質成分の分画?濃縮、DMED誘導体化による陽イオンモードでの検出、EADとSWATH-DIAを組み合わせた分析、そしてMS-DIALとMRMPROBSによる情報解析プロセスにより、FAHFAの詳細構造を高精度で解析することが可能となった。


  

図3. FAHFAの水酸基位置異性体を識別するEAD-MS/MS手法の概要
左側の図は、誘導体化をせず、頻用されるMS/MS法である衝突誘起解離法(CID)でFAHFAを分析した例を示す。水酸基位置異性体の関係にある5-PAHSAと9-PAHSAのMS/MSは一致しており、MS/MS情報からは水酸基位置異性体を識別できないことを示している。右側の図は、DMED誘導体化された5-PAHSAのMS/MSを示している。上段がEAD、下段がCIDによるMS/MSである。下段のCIDによるMS/MSでは水酸基位置由来の部分構造イオンは観測されない一方、上段のEADでは水酸基位置の情報を保持した断片化イオン(緑色)が検出される。また図示はしていないが、MS/MSを拡大すれば二重結合位置の情報を反映したMS/MS情報も同時に検出されている。
図4. 同定されたFAHFA構造の多様性とEAD-MS/MSによる異性体識別の具体例
本研究で開発した技術により捉えた85種類のFAHFAの構造解析とその精度に関する詳細を示している。全85種類のうち、63種類については水酸基位置まで特定することができ、15種類については水酸基と二重結合の位置の両方を特定することに成功した。下段には、実際のSWATH-DIAとEAD併用時のLC-MS/MSデータを示す。それぞれの水酸基位置異性体が、SWATH-DIAで取得された水酸基位置特異的な断片化イオンを時系列モニタリングすることで定性?定量可能であることを示している。
図5. マウス糞便中の脂肪酸代謝物の発現量
本研究で検出されたFAHFA代謝物多様性の一部を示す。各行には、MS-DIALで検出されたFAHFA代謝物名を示している。さらに、水酸基位置特異的な断片化イオンをMRMPROBSで検出し、比較解析した結果を赤?青?橙色のドットプロットで示している。アスタリスクは、有意差が認められた分子であることを示している。




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